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12 個人の債務者のための免責と復権

(5) 免責の効力

(イ) 免責許可決定が確定すると、債務者は、原則として全ての残債務について、責任を免除されます。
優先劣後の順位、破産手続参加の有無、自己破産の申立時に把握していた債務であるかどうかに関係なく、また配当すべき財産がないときは配当がされなくても責任を免れます。
破産債権者は、以後、免責された債務者に対して一切請求することができなくなります。
(ロ) 免責されない債権
免責許可決定がなされても、下記(a)から(g)の債権は免責されません(「非免責債権」。破産法253条1項)。
(a) 租税債権(破産法253条1項1号)
具体的には関税、登録免許税などです。
破産手続開始前の原因に基づいて発生した租税債権であって、破産手続開始当時、まだ納期限が到来していないもの、または、納期限から1年を経過していないもの(破産法148条1項3号)は除きます。
(b) 債務者が「わざと」、または、重大な不注意によって加えた不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項2号)
(c) 債務者が「わざと」、または、重大な不注意によって加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項3号)
(d) 1)夫婦間の協力および扶助の義務(民法752条)に係る請求権、2)婚姻費用分担義務(民法760条)に係る請求権、3)子の監護に関する義務(民法766条)に係る請求権、4)親族間の扶養の義務(民法877条ないし880条)に係る請求権、5)以上の義務に類する契約上の義務に係る請求権(破産法253条1項4号)
(e) 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権および使用人の預り金(社内預金など)の返還請求権(破産法253条1項5号)
(f) 債務者が知っていながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産法253条1項6号)
債務者が知っている請求権であればよく、債権者名簿に記載しなかったことが不注意による場合でも本号に該当し、「わざと」であることを要しません。ある債権者を、債権者名簿に記載するのを失念したところ、あとになってその債権者から債権の履行請求訴訟を提起されて、失念していたことに気がつくといった例がよくありますので、債権者名簿に漏れがないかどうか、よく注意する必要があります。
(g) 罰金などの請求権(破産法253条1項7号)