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9 自己破産の申立と弁護士


(1) 自己破産の申立は、弁護士に依頼せずに、ご自身で行うことも可能です。
しかし、弁護士に依頼しない場合、次のようなデメリットがあります。
(イ) ご自身で自己破産を申し立てるとなると、申立書などの必要書類を全て自ら作成・準備しなければならず、書類に不備があったりすると、裁判所から補正を命じられたり、その他にも裁判所や破産管財人との審尋・連絡などの煩瑣な手続を全てご自身で行わなければならないため、結果的にそれだけ手続が長期化し、その間新しい生活や事業のために集中する時間的・精神的なゆとりが奪われてしまうというデメリットがあります。
この点、弁護士は、必要書類の作成・準備や手続については熟知しており、たいていの手続は弁護士が代理して行うため(ご本人のご協力をいただかなければならないこともありますが)、円滑かつ迅速に手続の進行を図ることができ、早期に最終的な解決に導くことができます。
(ロ) ご自身で申立をされる場合には、弁護士に依頼する場合と比べて、実際に申立をするまでの間、債権者からの取立を停止することができないというデメリットがあります。
この点、弁護士が自己破産の申立の依頼を受ければ、自己破産の申立書など必要書類が揃っていなくても、直ちに、債権者宛に受任通知を発送し、債権者との連絡の窓口を一手に引き受けますので、少しでも早く債権者からの取立てや債権者との対応から開放されたいという方にとって、弁護士に依頼するメリットがあるといえます。
(ハ) 東京地裁などでは、一定の類型に該当する事件で、弁護士が代理人となって自己破産を申し立てる場合に限り、通常の場合よりも裁判所に納める予納金が安く(法人も個人も一律に20万円)、また、手続が短期間で終結する(申立から6か月程度)少額管財事件という運用がなされています。
さらに、同じく、東京地裁などでは、弁護士が代理人となって自己破産を申し立てる場合に限り、同時廃止事件については、自己破産の申立をした当日に裁判官と代理人弁護士が面接し、原則としてその日の夕方には破産手続開始決定がなされる即日面接という運用がなされています。
ご自身で申立をされる場合には、どんな事件であっても、総負債額に応じて予納金の額が大きくなり、また、手続に要する時間も6か月以上になる上、即日面接がなされることもありません。
他方、自己破産を弁護士に依頼せずにご自身で行う場合、弁護士費用を支払わなくて済みますが、法人の場合には法人が所有する全財産が、個人の場合には99万円を超える現金は債権者への配当に充てられます。
ですので、自己破産の申立をされる場合には、法人の場合も個人の場合も、弁護士に依頼するのが賢明です。
(2) なお、自己破産の申立を司法書士に依頼する方もいらっしゃいますが、司法書士には代理人として裁判所とのやりとりを行う権限はありませんので、申立書など必要書類の作成・準備という点では司法書士に依頼するメリットがあるといえますが、その他の点では、ご自身で申し立てる場合と何ら変わりないことになります。