7 自己破産を利用した事業再建スキーム(法人の場合)
(4) 手続
| (イ) |
裁判所の許可
民事再生や会社更生のような再建型手続の場合に比べて、債権者の意見を聴取するための手続が必要なく、裁判所の許可と労働組合(労働組合がない場合は労働者の過半数の代表者)の意見を聴取するだけで足りるため、比較的迅速な事業譲渡が可能となります。 裁判所の許可に際しては、主として、事業譲渡の代金の妥当性が検討されることになりますが、事業譲渡の対象資産の評価額が合理的に算定され、事業譲渡の代金額がこれと同等か、あるいは、これを上回ると認められれば、速やかに許可がなされるでしょう。 なお、通常、事業譲渡をするには株主総会の特別決議(議決権総数の過半数を有する株主が出席し、かつ、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数の賛成が必要)を経る必要がありますが、自己破産手続内で事業譲渡をする場合には、株主総会の特別決議は必要ありません。株主間で感情的な軋轢がある場合、持株組合があり社員が多数で株主の意見集約が困難な場合、株主が散在している場合などには、株主総会を開催する手間が省けます。 |
| (ロ) |
担保権消滅許可制度の活用
事業譲渡の対象となる資産に担保権が設定されている場合、その資産を譲渡するには担保権者全員から個別に同意を得て担保権を抹消してもらう必要があります。そこで、このような場合には、担保権消滅許可制度を活用することにより、被担保債権の全額を弁済しなくても、担保物件の代金相当額を裁判所に納付することで、担保権を消滅させ、これを譲渡することが可能となります。 |
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