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(14)免責手続

(ハ)免責不許可事由

  • 免責不許可事由とは具体的にはどのようなものですか

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  • 免責不許可事由
    裁判所は、次の免責不許可事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可決定をしなければなりません(破産法252条1項)。
    (1) 債権者を害する目的で、破産財団に属し、または属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと(1号)
    (2) 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、または信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと(2号)
    (3) 債務者の義務ではないのに、特定の債権者に特別の利益を与える目的または他の債権者を害する目的で、その債権者のために担保の供与または債務の消滅に関する行為をしたこと(3号)
    (4) 浪費または賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと(4号)
    (5) 破産申立があった日の1年前の日から破産手続開始決定がなされた日までの間に、破産原因があることを知りながら、破産原因がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと(5号)
    (6) 業務および財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、または変造したこと(6号)
    (7) 虚偽の債権者名簿または債権者一覧表を提出したこと(7号)
    (8) 破産手続で裁判所が行う調査について、説明を拒み、または虚偽の説明をしたこと(8号)
    (9) 不正な手段により、破産管財人、保全管理人等の職務を妨害したこと(9号)
    (10) 説明義務、重要財産開示義務、免責に関する調査協力義務その他破産法で定める義務に違反したこと(11号)
    (11) 免責許可の決定が確定した日等から7年以内に免責申立てをしたこと(10号)
  • 免責不許可事由の例
    (1) 浪費
    不許可事由と認めた裁判例としては、(イ)クレジットカードでバーやキャバレーでの飲酒を重ね、自ら使用する意思もないのに、クレジットカードでダイヤモンドやカメラ等を購入しては換金をする等して合計約3000万円もの負債を負うに至った事案、(ロ)20代の女性がブランド品を中心に約60着もの衣類をクレジットカードで購入し、支払に困ってサラ金等から合計約650万円の負債を抱えるに至った事案等があります。
    (2) 詐術
    不許可事由と認めた裁判例としては、破産者はサラ金業者に対し、すでに24社から約740万円もの債務を抱え、毎月の返済額が30万円以上にも達していたのに、「他社借入は3社で総額100万円、毎月の返済額は4万5000円」と虚偽の事実を告げて20万円を借り入れた事案等があります。積極的にウソをついた場合に限らず、破産原因を黙秘して相手に告げないという消極的な態度も詐術にあたるとされることがあります。
    (3) 虚偽の説明・報告
    不許可事由と認めた裁判例としては、特定の債権者からの異議を封じるために、破産申立に際して、債権者名簿にはその債権者の債権を記載しなかった事案、賭博で借金を抱え込んだにもかかわらず、陳述書には「ギャンブルは全くやらない」という虚偽の報告書等を提出していた事案等があります。