携帯電話の方はこちらからお入り下さい。

(13)破産手続の終了

(ハ)弁済禁止の仮処分

  • 破産手続が終結した場合、係属中の査定手続や訴訟手続はどうなりますか

  •  
  • 破産債権の確定手続
    (1) 破産債権査定手続
    (イ) 破産手続終結決定の場合
    この場合、査定手続は引き続き係属します(破産法133条1項)。未確定の破産債権については確定後に配当手続に参加することとなるので、破産債権を確定する必要性があるからです。
    (ロ) 破産手続開始決定の取消しまたは破産手続廃止の決定の確定の場合
    これらの場合には、査定手続は終了します。もはや破産債権を確定する必要性がないからです。
    (2) 査定の申立てについての決定に対する異議の訴え
    (イ) 破産管財人が当事者の場合
    この場合、a破産手続終結の決定の場合は、訴訟手続は中断せず引き続き係属しますが(同条3項)、b破産手続開始決定の取消しまたは破産手続廃止の決定の確定の場合は、訴訟手続は中断し、破産者が受継しなければなりません(同法44条4項、5項)。
    aの場合には、いまだ破産債権を確定する必要性があるうえ、従来から破産者の財産管理処分権を有していた破産管財人に当面の間は引き続き訴訟追行を委ねてもよいと考えられるのに対し、bの場合には、それまでの訴訟手続を無駄にしないために訴訟手続を続行させはするものの、破産管財人の財産管理処分権が失われることから、訴訟手続をいったん中断し、破産者にこれを受継させる必要があるためです。
    (ロ) 破産管財人が当事者となっていない場合
    この場合、a破産手続終結の決定の場合、訴訟手続は中断しませんが(同法133条4項)、b破産手続開始決定の取消しまたは破産手続廃止の決定の確定の場合は、訴訟手続は当然に終了します。ただし、bの場合で、破産手続開始当時に係属していた訴訟手続であって受継があったものについては、訴訟手続は終了せずに中断するものとし、破産者においてこの訴訟手続を受継しなければなりません(同法133条5項)。
    aの場合には、いまだ破産債権を確定する必要性があるうえ、訴訟追行者に変更がなく、訴訟手続を中断する必要がないのに対し、bの場合には、もはや破産債権を確定する必要性そのものが失われるので、原則として訴訟手続は当然に終了させてよいですが、破産手続が開始する以前から破産者に訴訟が係属していた場合には、破産者に訴訟を追行させることとしても、もとの状態に戻るだけですので、破産者に当該訴訟手続を受継させることにしたものです。
  • 役員の責任追及手続
    (1) 役員責任査定手続
    役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定手続は、破産手続が終了した場合には、終了します(同法178条5項)。
    (2) 査定の裁判に対する異議の訴え
    役員責任査定の裁判に対する異議の訴えは、破産手続が終了した場合には、破産管財人の財産管理処分権が失われるため、一時的に訴訟追行者がいなくなることから、訴訟手続はいったん中断し、破産者においてこれを受継することになります(同法44条4項、5項)。
  • 否認権の行使手続
    (1) 否認の請求および請求を認容する裁判に対する異議の訴え
    破産手続が終了したときは、終了します(同法175条6項)。
    (2) その他の訴訟手続
    上記3(1)以外の訴訟手続については、破産手続が終了した場合には、破産管財人の財産管理処分権が失われるため、一時的に訴訟追行者がいなくなることから、訴訟手続はいったん中断し、破産者が受継することになります(同法44条4項、5項)。