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(13)破産手続の終了

(イ)保全処分

  • 破産手続の廃止とは何ですか

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  • 破産手続廃止とは
    (1) 破産手続は、本来的には、破産債権者への配当によって終了するものですが、その他の終了原因のひとつとして、破産手続廃止があります。この破産手続廃止には、破産財団が破産手続の費用をまかなうのに不足し、破産債権者に対する配当の可能性がないために、破産手続を終了させる場合と破産債権者の同意によって破産手続を終了させる同意廃止の場合があり、前者はさらに、破産手続開始決定の時点でなされる同時廃止と破産手続開始後になされる異時廃止の2つに分かれます。
    (2) 破産手続廃止の決定が確定すると、破産手続終結決定がなされた場合と同様に破産手続終了の効果が生じることから、破産管財人の任務も終了し、任務終了による計算報告を債権者集会において行うことになります。
  • 破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定(同時廃止。破産法216条)
    (1) 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用をまかなうのに足りないと認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければなりません(ただし、破産手続の費用を賄うに足りる予納金が納付された場合を除きます。)。このような場合には、破産原因がある限り破産手続開始決定の効果を生じさせることは必要であるとしても、その後の手続を進行させることは無駄であるからです。
    (2) 裁判所は、この決定をしたときは、ただちに、破産手続開始の決定の主文と破産手続廃止の決定の主文および理由の要旨を公告し、かつ、破産者に通知しなければなりません。
  • 破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定(異時廃止。同法217条)
    (1) 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用をまかなうのに足りないと認めるときは、破産管財人の申立てまたは職権により、破産手続廃止の決定をしなければなりません。
    (2) この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければなりません。なお、裁判所は、相当と認めるときは、債権者集会の期日における破産債権者からの意見聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができます。
    (3) 破産手続の費用をまかなうのに足りる予納金の納付があった場合には、破産手続は廃止されません。
    (4) 裁判所は、この異時廃止の決定をしたときは、ただちに、その主文および理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者および破産管財人に送達しなければなりません。
  • 破産債権者の同意による破産手続廃止の決定(同意廃止法218条)
    (1) 破産者が、a破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者全員の同意を得ているとき、または、b同意をしない破産債権者がいる場合であっても、裁判所が相当と認める担保をその破産債権者に供しているとき(破産財団から担保を供した場合には、破産財団から担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限られる)に、破産手続廃止の申立てをしたときは、裁判所は、破産手続廃止の決定をしなければなりません。
    (2) 破産者は、債権届出期間経過後であれば、手続の終了に至るまでいつでもこの申立てをすることができます。
    (3) 同意を得なければならない破産債権者の範囲は、債権届出期間内に届出をした破産債権者ですが、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者については同意を得ることを要しない旨の決定をすることができるとされています。
    (4) 法人である破産者が同意廃止の申立をするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従って、あらかじめ、法人継続の手続をしなければなりません(同法219条)。
    (5) 裁判所は、同意廃止の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならず、届出をした破産債権者は、公告の効力が発生した日から2週間以内に、裁判所に対し、同意廃止の申立について意見を述べることができます。