携帯電話の方はこちらからお入り下さい。

(12)配当

(イ)配当とは

  • 破産手続における配当とは何ですか

  •  
  • 配当とは
    (1) 配当とは、破産管財人が破産財団に属する財産を換価して得た金銭を、破産債権者に対し、破産債権者の順位およびその破産債権額に応じて分配する手続のことをいいます。破産債権者にとっては、破産手続において最も関心のある局面であるということができます。
    (2) 配当の原資は、破産管財人が換価により収集した破産財団額から、破産管財人の報酬、破産管財業務の経費、公租公課等の財団債権の支出予定額を控除した残金です。
    (3) 最後配当、簡易配当または同意配当が終了すると、破産手続終結の決定がなされて、破産手続は終了します(破産法220条)。
    (4) 破産手続開始後に、多額の公租公課がある場合等、破産財団額が財団債権全額をまかなうにも足りないことが判明したときは、配当は行われずに、破産手続廃止決定がなされ、破産手続は終了することになります(異時廃止。同法195条1項・217条1項)。
    (5) さらに、破産手続開始決定の時点で、破産財団をもって破産手続の費用をまかなうことができないと認められる場合、裁判所は、破産管財人による調査業務の必要性の有無等を考慮した上で、破産管財人を選任することなく、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定によって手続を終了させることがあります(同時廃止。同法216条)。
  • 配当の種類
    (1) 配当の原則型は、破産財団に属する全財産の換価が終了した後に行われる「最後配当」です(同法195条以下)。
    (2) 例外的に、一般調査期間の経過後または一般調査期日の終了後であれば、破産財団に属する全財産の換価が終了する前であっても、最後配当に先立って「中間配当」を行うことが認められています(同法209条以下)。破産管財人の換価により、既に相当額の金銭が破産財団を構成しているにもかかわらず、事件の長期化が見込まれる場合等に、中間配当を行うことが考えられます。
    (3) 最後配当の通知(同法201条7項)を発した後に、新たに配当可能な財産があることが確認されたときに、補充的になされる配当を「追加配当」といいます(同法215条以下)。
    (4) 簡易迅速な手続により早期の配当を実現することが破産債権者の利益につながることが少なくないことから、比較的厳格な配当方法であり、配当の原則型である最後配当に代えて、簡易迅速な方法として「簡易配当」(同法204条ないし207条)と「同意配当」(同法208条)があります。実務上は配当可能金額が1000万円未満の事件では簡易配当が一般的となり、債権者の数がごく少数の事件では同意配当が適用されることになるでしょう。