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(11)否認権

(ト)否認権の行使方法

  • 否認権の行使方法を教えてください

  •  
  • 否認権の行使権者
    否認権を行使することができるのは、破産管財人だけです(破産法173条1項)。破産者や破産債権者が行使することはできません。
  • 否認権行使の相手方
    (1) 否認権行使の相手方は、原則として、否認されるべき行為の直接の相手方(受益者といいます)です。しかし、受益者に対する否認権行便の効果は受益者からの転得者には及びません。たとえば、受益者が転得者に目的物を譲渡してしまった場合、破産管財人は相手方に対しては目的物の価格償還請求をすることしかできません。
    (2) ただし、
    (イ) 転得者が転得の当時、その前者に対する否認の原因があることを知っていたこと、
    (ロ) 転得者が、破産者と一定の関係にある者(例えば、破産者の、役員、総株主の議決権の過半数を有する者、親族または同居者等のいずれか)であるときであって、転得の当時、前者に対する否認の原因があることを知っていたこと、
    (ハ) 転得者が無償行為またはこれと同視すべき有償行為によって転得した場合に、前者に対して否認の原因があること、
    の要件を満たす場合には、転得者に対しても否認権を行使することができます(同法170条)。
  • 否認権の行使方法
    (1) 否認権は、訴え、否認の請求または抗弁によって、裁判上行使しなければなりません(同法173条1項)。
    (2) 否認の請求という制度により、簡易迅速に否認権を行使することも認められます(同法174条)。
    (3) 否認の請求の場合、否認の原因事実を疎明すれば足りることとされます、審理も判決手続より簡易な決定手続で行われます。ただし、当事者双方が立ち会うことのできる審尋期日を開かなければなりません。
    (4) 否認の請求を認容する決定に不服がある場合には、決定書の送達を受けた日から1か月以内に、異議の訴えを提起することができます(同法175条1項)。
    (5) 否認の請求を認容する決定に対する異議の訴えが提起された場合に、その決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有します(同条4項)。
  • 否認権の行使期間
    否認権は、破産管財人が否認の原因があることを知っていたか否かを問わず、破産手続開始の日から2年を経過したとき、または、否認しようとする行為の日から20年を経過したときは、行使することができません(同法176条)。