携帯電話の方はこちらからお入り下さい。

(10)相殺権

(イ)相殺が認められる場合

  • 破産手続において相殺は認められますか

  •  
  • 相殺の許容
    (1) 破産債権者は、破産手続開始の当時に、破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができます(破産法67条1項)。
    (2) 破産債権者の有する債権が、破産手続開始当時、期限付、または、解除条件付であるときでも、相殺することができます(同条2項)。ただし、解除条件付債権を有する破産債権者が相殺をするときは、相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、または、寄託しなければなりません(同法69条)。
    (3) 破産債権者の有する債権が、破産手続開始当時、(イ)非金銭債権の場合(物の引渡請求権である場合等)、(ロ)金銭債権で、その額が不確定のものまたは、その額が外国通貨で定められたもの、(ハ)金額または存続期間が不確定である定期金債権であるときでも、破産手続開始当時の評価額により、相殺することができます(同法67条2項)。
    (4) 停止条件付債権または将来の請求権を有する債権者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、停止条件が成就した場合または将来相殺をするため、その債権額の限度において、弁済額の寄託を請求することができます(同法70条)。敷金返還請求権を有する者が、破産者に対する賃料債務を弁済する場合も同様です。
    (5) 破産債権者の負担する債務が、期限付もしくは条件付であるとき、または、将来の請求権であるときも、相殺することができます。
  • 相殺権の制限
    民法、商法の規定によって相殺が禁止されているときには、破産法上も相殺をすることはできませんが、さらに破産法上、特別の制限があります。
  • 相殺権の行使方法
    (1) 相殺権の行使方法については、破産法上特別の規定はなく、一般原則に従い、破産管財人に対する裁判上または裁判外の意思表示によって行います。
    (2) 相殺権を行使するために、破産債権者の有する債権について、破産債権の届出をして、債権調査によって確定していることは必要ないものとされています。