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(9)双方未履行の双務契約

(ロ)請負契約の当事者の破産

  • 請負契約の当事者が破産した場合、その請負契約はどうなりますか

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  • 請負人が破産した場合
    (1) 請負人が破産した場合については、民法に規定がないため、双務契約における原則どおり、破産手続開始決定時に当事者双方共にまだその債務の履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除か破産者の債務を履行した上で相手方の債務の履行を請求することができるはずです(破産法53条1項)。
    (2) この点、判例は、請負契約の目的である仕事が破産者以外の者において完成することができない性質のものであり、破産管財人が破産者による債務の履行を選択する余地のないときでない限り、破産法53条1項は適用されるとし、同条項により請負契約が解除された場合には、注文者は支払い済みの請負報酬内金から工事出来高分を控除した残額について、財団債権として返還を請求することができるとしています。
    結局、破産した請負人に代わって別の業者が仕事を完成させることができる場合には、破産法53条1項は適用されますが、別の業者が代わって完成させることができない場合は同法同条項は適用されず、その結果、請負人が破産したというだけではその請負契約を解除することができないこととなります。
  • 注文者が破産した場合
    (1) 注文者が破産手続開始決定を受けたときは、請負人および破産管財人の双方が請負契約を解除することができます。注文者が破産した場合の請負契約については、双務契約に関する一般規定である破産法53条の特則として優先されるとするのが実務の取り扱いです。この場合、請負人は、既にした仕事の報酬およびその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に参加することができます(民法642条1項)。
    (2) そして、注文者が破産した場合に、破産管財人が契約を解除した場合の請負人に限り、契約の解除によって生じた損害の賠償を請求することができ、請負人はその損害賠償につき、破産財団の配当に参加することができます(民法642条2項)。