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(6)破産財団

(ヲ)担保権者の買受の申出

  • 破産手続における担保権者の買受けの申出とはどのような制度ですか

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  • 担保権者の買受けの申出
    (1) 担保権者は、担保権消滅の許可の申立てに異議があるときは、申立書とその担保権の目的財産の売却の売買契約の内容を記載した書面がすべての担保権者に送達された日から1か月以内に、破産管財人に対し、その担保権者その他の者は、その担保権の目的財産を買い受ける旨の申出をすることができます(破産法188条1項)。
    (2) 買受けの申出は、買受申出額等を記載した書面でしなければなりません(同条2項)。
    (3) 破産管財人と担保権者との間で、売得金および組入金の額について合意がある場合には、その担保権者は、買受申出をすることができません(同条6項)。
    (4) 買受申出額は、担保権消滅許可申立書に記載された売得金の額にその20分の1の額に相当する額を加えた額以上でなければなりません(同条3項)。
    (5) その担保権の目的財産が複数あるときは、買受申出額の各財産ごとの内訳の額は、担保権消滅許可申立書記載の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならないとされています(同条4項)。
    (6) 買受希望者は、買受申出額の10分の2に相当する額の保証金を、破産管財人の預貯金口座に振り込んだ旨の金融機関の証明書または銀口等と支払保証委託契約を締結したことを証する文書を、買受申出書に添付する方法により、破産管財人に提供しなければなりません(同条5項)。
    (7) 破産管財人は、買受申出があったときは、上記(1)の期間が経過した後、裁判所に対し、その担保権の目的財産を買受希望者(買受申出が複数あった場合にあっては、最高の買受申出額を提示した買受希望者)に売却する旨の届出をしなければなりません(同条8項)。
  • 担保権消滅許可の決定
    (1) 裁判所は、担保権者が上記1(1)の期間内に担保権実行の申立をしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、担保権消滅の許可の決定をしなければなりません(同法189条1項)。
    (2) 破産管財人が担保権の目的財産を買受希望者に売却する旨の届出をした場合に、担保権消滅許可の決定が確定したときは、破産管財人とその買受希望者との間で、その担保権の目的財産の売却に係る売買契約の内容を記載した書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除きます)の売買契約が締結されたものとみなされます。この場合においては、買受申出額を売買契約の売得金の額とみなされます(同条2項)。
  • 担保権消滅許可決定後の金銭の納付
    (1) 担保権消滅許可の決定が確定したときは、その許可に係る売却の相手方は、売得金の額、売得金から組入金を控除した額、または、買受申出額から保証金を控除した額のいずれかに相当する金銭を、裁判所の定める期限までに、裁判所に納付しなければなりません(同法190条1項)。
    (2) その担保権は、この金銭の納付があった時に消滅します(同条4項)。
    (3) この金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、その担保権に係る登記または登録の抹消を嘱託しなければなりません(同条5項)。
    (4) この金銭の納付がなされなければ、裁判所は、担保権消滅許可の決定を取り消さなければなりません(同条6項)。そして、この場合、買受希望者は、保証金の返還を請求することができなくなります(同条7項)。
  • 配当の実施等
    (1) 裁判所は、上記3(1)の金銭の納付があった場合には、担保権者に対し、配当表に基づいて配当を実施しなければなりません(同法191条1項)。
    (2) 担保権者が1人である場合、または、担保権者が2人以上であって、上記3(1)の金銭により、各担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、その金銭の交付計算書を作成して、担保権者に弁済金を交付し、その剰余金を破産管財人に交付します(同条2項)。