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(6)破産財団

(ホ)破産財団の管理方法

  • 破産管財人による破産財団の管理の方法を教えてください

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  • 破産財団の管理
    破産財団は、配当の原資となるなど総債権者の利益のために確保されなければなりませんが、破産手続開始前後の時期には、債権者による財産の持ち出し、破産者による財産の隠匿、その他財産の散逸が起こりやすい状況にあることから、破産管財人は就任後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければなりません(破産法79条)。
  • 破産財団の管理方法
    破産管財人は破産財団に属する財産について、その種類に応じて次のような管理を行うことになります。
    (1) 現金・預貯金・有価証券
    破産管財人は、就任後直ちに、破産者から引渡しを受けて管理保管します。現金については、裁判所の指定を受けた高価品保管場所(破産管財人名義の銀行口座)に預け入れて保管します。
    (2) 売掛金・貸付金等債権
    破産管財人は、破産手続開始後速やかにその内容を把握して、自ら債務者に対して支払を催告し、早期に回収することに努めなければなりません。債務者が支払に応じない場合には、証拠書類の有無や金額等を考慮して、訴訟提起等の法的措置によることも検討しなければなりません。
    (3) 動産
    破産者所有の不動産(倉庫等)がある場合には、引き続き同所に保管することが考えられますが、その場合でもその不動産が破産管財人の管理下にあることを明示して告知し、鍵を交換する等して細心の注意をもって管理すべきです。従前の保管場所が賃借物件である場合には、賃料が財団債権になることから商品の換価価値と保管費用とを比較検討しつつ早期に商品等を処分することを考えなければなりません。事前に混乱(一部債権者の持出し等)が予測されるようなケースでは貸倉庫等を別途利用することも考えるべきでしょう。また、そのような場合には、後述の封印執行も検討すべきです。いずれにせよ、劣化の激しい商品等は速やかに換価すべきです。
    (4) 不動産
    たとえば、オーバーローンの不動産については最終的に放棄処理する可能性があること、余剰がある場合であっても売却して買主に引き渡すまでには通常時間的間隔があること、破産手続開始後直ちに破産者を退去させて空き家にしてもかえってその管理が大変であること等を考慮すれば、破産手続開始後も引き続き破産者に居住させることを検討してもよいでしょう。ただ、不動産の権利証は破産管財人が保管すべきです。また、空き家や倉庫等の場合は、内部動産の持出しや他者による不法占拠を防止するために、破産管財人は、その物件が破産管財人の管理下にあることを明示して告示し、鍵の管理についても細心の注意を払うべきでしょう。
    (5) 会計帳簿類
    破産管財人は、少なくとも過去3年分程度の会計帳簿類の引渡しを受けて管理すべきです。会計に関する書類は、債権調査に関する重要な資料となるとともに、隠れた破産財団の発見に役立つこともあるからです。
  • 封印執行
    破産財団に属する財産の持ち出しや他者による不法占拠のおそれがある等、破産管財人が破産財団の保全の必要があると認めたときは、破産管財人は、裁判所書記官、執行官または公証人に対して、破産財団に属する財産に封印をさせることができます(同法155条1項)。この場合、対象物件に封印票と公示書が貼付され、その物件が破産管財人の占有下にあることが公示されます。
  • 裁判所の許可を要する行為
    (1) 破産管財人が、次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければなりません(同法78条2項)。
    (イ) 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶または外国船舶の任意売却、
    (ロ) 鉱業権、漁業権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権または著作隣接権の任意売却、
    (ハ) 営業または事業の譲渡、
    (ニ) 商品の一括売却、
    (ホ) 借財、
    (ヘ) 相続放棄の承認、包括遺贈放棄の承認または特定遺贈の放棄、
    (ト) 動産の任意売却、
    (チ) 債権または有価証券の譲渡、
    (リ) 53条1項の規定による履行の請求、
    (ヌ) 訴えの提起、
    (ル) 和解または仲裁合意、
    (ヲ) 権利の放棄、
    (ワ) 財団債権、取戻権および別除権の承認、
    (カ) 別除権の目的である財産の受戻し、
    (ヨ) その他裁判所の指定する行為
    (2) ただし、上記(ト)から(カ)までの行為については、次の場合には、裁判所の許可を要しません。
    (イ) 100万円に満たない価額を有するものに関するとき
    (ロ) 100万円以上の価額を有するものに関する場合であって、裁判所が、上記4(1)の許可を要しないものとしたとき
  • その他
    破産財団に関する帳簿の閉鎖、および、財団に属する財産の引渡しの申出も破産管財人による破産財団の管理の方法の一つです。