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(6)破産財団

(ハ)自由財産とは

  • 破産手続における自由財産とはどのようなものですか

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  • 自由財産とは
    自由財産とは、破産財団に含まれない財産をいいます。
    そして、破産財団とは、破産者が破産手続開始の時点で有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない)をいい(破産法34条1項)、破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて将来行使することがある請求権も、破産財団に属します(同条2項)。
  • 自由財産の範囲
    自由財産の具体的な範囲は次のとおりです。
    (1) 破産者が破産手続開始後にはじめて取得するに至った財産(新得財産)
    (2) 標準的な世帯の2か月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭(66万円民事執行法131条3号)に2分の3を乗じた額の金銭(99万円。破産法34条3項1号)。自然人の破産において、最低限必要な生活費を保障する趣旨です。
    (3) 差押え禁止財産(破産法34条3項2号)。これも、自然人の破産において、最低限度の生活を維持するために必要な一定の財産を自由財産とする趣旨です。具体的には、生活に不可欠な衣服、寝具、家具、一か月の生活に必要な食料および燃料、農業や漁業を営む者にとって不可欠な器具等(民事執行法131条各号)、ならびに、給料、退職年金、賞与等の4分の3(同法152条1項・2項)がこれに当たります。ただし、民事執行法132条1項(同法192条において準用する場合を含む)の規定により差押えが許されたものおよび破産手続開始後に差し押えることができるようになったものは、自由財産とはされません。
    (4) 管財人が放棄した財産(破産法78条2項12号)
  • 法人と自由財産
    (1) 破産者が法人の場合、自由財産を観念することができるのか、という問題点があります。この点、法人に自由財産を認めるとすると、その財産は破産者たる法人に帰属すべきということになりますが、法人自体については破産手続の開始により、破産管財人に財産の管理処分権が専属することから、結局は自由財産を認める実益が乏しいと考えるのが通説的見解です。
    (2) 実務上は、破産管財人が権利放棄した資産は、破産手続の外に置かれることになりますが、不動産等の財産の場合で、これを処分する必要が生じた場合には、民事執行法41条2項を類推適用して、その処分のための特別代理人を選任する手続をとることが考えられます。