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(3)手続の機関

(ロ)破産管財人の職務

  • 破産管財人の職務にはどのようなものがありますか

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  • 破産財団の管理
    (1) 破産手続開始決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理処分権限は破産管財人に専属し(破産法78条1項)、破産管財人は就任後ただちに破産財団の管理に着手しなければなりません(同法79条)。
    (2) 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官等に破産財団に属する財産に封印をさせ、または、その封印を除去させ、さらには、裁判所書記官に対して破産財団に関する帳簿を閉鎖するよう申し出ることができます(同法155条)。
    (3) また、郵便物等の管理も行います(同法81条)。
    (4) このほか、破産者等に対して説明を求め、または、帳簿等を検査することもできます(同法83条)。
  • 破産財団の引渡命令
    破産管財人は、破産財団について管理処分権を取得しますが、破産者の協力がなければ直ちにその占有を取得して管理することはできません。そこで、裁判所は破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対して、破産財団を破産管財人に引き渡すよう命ずることができることとされています(同法156条)。
  • 破産財団の評定
    (1) 破産管財人は、破産手続開始決定後、遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始時における価額を評定し(同法153条1項)、評定後直ちに、財産目録および貸借対照表を作成して裁判所に提出しなければなりません(同条2項)。なお、破産者はこの評定に立ち会うことができます。
    (2) 破産財団に属する財産の総額が1000万円に満たない場合は、裁判所の許可を得て、貸借対照表の作成および提出をしないことができます(同条3項)。ただし、この場合でも財産目録の作成および提出は必要です。
  • 裁判所等への報告
    (1) 破産管財人は、破産手続開始決定後、遅滞なく、次の事項を記載した報告書を裁判所に提出しなければなりません(同法157条1項)。
    (イ) 破産手続開始に至った事情
    (ロ) 破産者および破産財団に関する経過および現状
    (ハ) 法人である破産者の理事等の責任に基づく損害賠償請求権につき保全処分または役員責任査定決定を必要とする事情の有無
    (ニ) その他破産手続に関し必要な事項
    (2) また、破産管財人は、これらの事項以外にも破産財団の管理および処分の状況、その他裁判所の命ずる事項について裁判所に報告しなければなりません(同条2項)。
    (3) さらに、破産管財人には、上記以外にも財産状況報告集会(同法158条)や債権者集会(同法159条)における報告義務がありますが、書面による計算報告(同法89条)等、簡素化合理化された報告方法が認められています。
  • その他の職務
    (1) 破産管財人は、破産財団を換価処分して、配当財源の確保を図りますが、これらの処分を行うときには、原則として、裁判所の許可を得なければなりません(同法78条2項)。
    (2) ただし、100万円以下の財産の処分や裁判所が許可を要しないと定めたものについては許可なしで処分しうることとして(同条3項)、破産管財人の機動的な処分を可能となっています。
    (3) その他、破産管財人は、双務契約の処理(同法53条、54条)、否認権の行使(同法160条以下)、破産財団に関する訴訟の遂行(同法80条)、債権の認否(同法116条以下)等さまざまな職務を行います。
  • 職務執行に対する妨害行為
    破産管財人が管財業務を行うに際しては、債務者、債権者その他の関係者からさまざまな妨害行為がなされることがあります。そこで、適正・円滑な管財業務の遂行を確保するため、破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の救助を求めることができるものとしました(同法84条)。なお、偽計または威力を用いて破産管財人の職務を妨害する行為については、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられ、または、これらが併科されます(同法272条)。