携帯電話の方はこちらからお入り下さい。

(2)手続開始前の保全措置

(ニ)否認権のための保全処分

  • 破産手続での否認権のための保全処分はどのような場合に認められていますか

  •  
  • 否認権のための保全処分
    (1) 裁判所は、破産申立があった時から破産申立についての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立または職権により、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができます(破産法171条1項)。
    (2) この保全処分は、担保を立てさせて、または、立てさせないで命ずることができます(同条2項)。
    また、
    (3) 裁判所は、利害関係人の申立または職権により、その保全処分を変更し、または取り消すことができます(同条3項)。
    なお、
    (4) 否認権のための保全処分および保全処分の変更または取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができますが、この即時抗告は執行停止の効力を有しません(同条4項および5項)。
    否認権のための保全処分により、破産手続開始決定前に破産財団から第三者に財産が散逸した場合に、その第三者がその財産を処分することを禁止し、またその第三者の責任財産を保全するとともに、否認権行使の相手方を固定できることになります。
  • 保全処分にかかる手続の続行と担保の取扱い
    (1) 否認権のための保全処分が命じられた場合において、破産手続開始決定があったときは、開始決定後1か月以内に限り、破産管財人はその保全処分にかかる手続を続行することができます(同法172条1項および2項)。
    (2) 破産管財人がその保全処分にかかる手続を続行しようとする場合、担保の全部または一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部または一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければなりません(同条3項)。
    否認権の保全は、債権者一般の利益に資するものであり、保全処分のための担保についても破産財団に負担させる必要があるとの趣旨に基づくものです。