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(2)手続開始前の保全措置

(ハ)弁済禁止の仮処分

  • 破産申立後、破産手段開始決定前に債務者の債権に対する弁済を禁止することはできますか

  •  
  • 弁済禁止の保全処分の要件
    (1) 裁判所は、破産申立がなされた場合に、利害関係人の申立て、または、職権により、破産申立につき決定がなされるまでの間、債務者の財産に関し、処分禁止の仮処分やその他の必要な保全処分を命じることができます(破産法28条1項)。
    なお、
    (2) 裁判所は、この保全処分の変更や取消しができます(同条2項)。この保全処分によって、遅滞の責を免れたり、取付け騒ぎを回避したりすることができます。
  • 弁済禁止の保全処分等の効果
    裁判所が、債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為を禁止する旨の保全処分を命じた場合、債権者は、その債務消滅行為の当時に、その保全処分がされたことを知っていた場合には、その保全処分に反してなされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができません(同条6項)。これにより、弁済禁止等の保全処分が命じられていたにもかかわらず弁済等を受けた債権者は、受けた利得を破産財団に返還しなければなりません。なお、保全処分(裁判所による保全処分の変更・取消しも含む)に対しては即時抗告ができますが、即時抗告には執行停止の効力はありません(同条3項および4項)。
  • 保全処分の濫用防止
    まだ破産手続開始決定がなされていない段階で、安易な弁済禁止等を認めることは破産手続の濫用を招くおそれがあるので、一度その保全処分がなされた場合には、破産申立人は裁判所の許可がなければ破産申立を取り下げることができません(同法29条)。