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(2)手続開始前の保全措置

(イ)保全処分

  • 破産申立後、破産手続開始決定前に債務者の財産に対する強制執行等を阻止する手段(保全処分)はありませんか

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  • 破産手続開始決定前の保全処分
    破産申立から破産手続開始決定までの間に、債務者が財産を費消、隠匿等したり、あるいは、債権者がそれぞれ自己の債権の回収をはかり、債務者の財産が散逸することを防止するため、裁判所は、破産申立があった場合に、必要があると認めるときは、利害関係人による申立または職権により、破産申立について決定があるまでの間、次の手続を中止することができます(破産法24条1項)。ただし、下記(1)の手続については、その手続の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがないことが、下記(5)の手続については、責任制限手続開始決定がなされていないことが必要となります。なお、裁判所は、この中止命令を変更し、または、取り消すことができます。
    (1) 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分または一般先取特権の実行もしくは留置権(ただし商事留置権を除く)による競売の手続であって、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権もしくは財団債権となるべきもの(破産債権等)に基づく手続または破産債権等を被担保債権とする手続
    (2) 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続であって、破産債権等に基づく手続
    (3) 債務者の財産関係の訴訟手続
    (4) 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続
    (5) 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律3章または油濁損害賠償保障法5章の規定による責任制限手続)
  • 保全処分の濫用防止等
    まだ破産手続開始決定がなされていない段階で、安易な中止を認めることは破産手続きの濫用を招くおそれがあるので、一度その中止命令がなされれば、破産申立人は裁判所の許可がなければ破産申立を取り下げることができないこととされています(破産法29条)。また、その中止命令(その変更、取消しも含む)に対しては即時抗告ができますが、即時抗告には執行停止の効力はありません(同法24条4項および5項)。